フリーランスって実際どうなの?

フリーランスとして独立すること、働くこと、生きることについて。

なにがあっても外注費は絶対に支払うべき

フリーランスはギャラを支払ってもらうだけでなく、支払う側になるときもあります。例えば、サイト制作を企業から自分がまるごと請け負って、制作チームを組むために他のフリーランスや制作会社に協力してもらう場合、あなたが発注する立場にもなります。制作費の総額をあなたが企業から支払ってもらい、それを他のフリーランスなどに振り分けるのです。

こうしたケースの場合、リスクもあります。クライアントである企業が制作費を払ってくれなくても、あなたが発注したフリーランスには支払い義務があります。こんなケースは非常に稀ですが、私は過去に一度こうした事態に陥ったことがあります。

クライアントから入金がなくても、発注先には支払うべき

「クライアントが入金がないので、もう少し待ってもらえますか」とお願いすることも可能ですが、発注した相手には期日通りにきちんと支払うべきです。

最終的にクライアントから入金がなければ赤字になりますし、遅れて入金してもらえたとしても、先出しになるので資金繰りが苦しくなるかもしれません。それでも期日通りにきっちり支払うのは、信頼を得るためです。自分が発注した相手にはきちんとお金を払っていくことで、フリーランス仲間や協力会社からの信頼を高めていくのです。

クライアントが入金してくれないからといって自分も支払いをしなければ、「あの人から流れてくる仕事は、ちゃんとお金を支払ってもらえない可能性がある」と思われてしまいます。それは、フリーランスとしてやっていく上で大きなマイナスとなります。

どれだけ優秀な仲間と組めるかも、フリーランスの実力のうち

フリーランスとして評価は、必ずしも自分だけのスキルで決まるわけではありません。「あの人に依頼すれば、優秀な仲間を集めてくれる」というのも大きな信頼となります。制作を中心に請け負う小さい広告代理店なんかは、この信頼だけで稼いでいるとさえ言えるでしょう。

だから、仲間や協力会社からの信頼は大切です。信頼してもらうためには、高いスキルを持っているだけでなく、お金のこともきっちりやらなくてはいけません。お金のことをルーズにすると、たちまち信頼は地に落ちます。

変なクライアントや代理店からの仕事を受けなければ、制作費が未払いになるなんてことはないのですが、長年フリーランスとしてやっていれば、気をつけていてもこうしたトラブルには遭遇してしまうことはあります。

なので、外注先に支払った分だけ赤字になってしまっても、途端に資金繰りがショートしてしまわないように、仕事用の口座の残高にはいつも余裕を持たせておきましょう。

制作費が大きい案件は、クライアントから直接支払ってもらえないか交渉してみる

ページ数の多い冊子やサイトをつくる場合などは、トータルの制作費は大きくなります。こうした案件では、自分が集めた仲間や協力会社にもクライアントから直接支払う契約にしてくれないかと、クライアントの担当者に相談してみるのも手です。

万一クライアントからの不払いが発生した際のリスクを回避できますし、自分の売上を抑えることもできます。法人化せずに個人事業主としてやっているときには、年間の売上を1000万円以内に抑えることも大切です。1000万を超えてしまうと、翌々年に消費税の納税義務が発生してしまいます。消費税はかなり負担がでかいので、極力納税義務を負わないようにするべきです。

制作費の総額が大きな案件は数百万円の売上になってしまうことはザラで、そうした案件を自分通しでいくつも受けていると、すぐに売上が1000万をオーバーします。制作費の大きな案件は、制作スタッフに個別に支払ってもらえないかクライアントに相談してみましょう。