フリーランスって実際どうなの?

フリーランスとして独立すること、働くこと、生きることについて。

小さな周期での収入の波は大丈夫。大きな周期での収入の波が危険。

定期仕事ばかりやっている場合を除き、フリーランスに収入の波はつきものです。今月は100万の売上があったけど、来月はゼロなんてことも普通です。

ただ、こうした月ごとの収入の波があっても、慣れてしまえばなんてことはありません。経済的に行き詰まることもありません。むしろ怖いのは、半年間は毎月バンバン収入があったけど、次の半年間はほとんど無収入になったみたいな、長期的なスパンでの収入の波です。

短期的な収入の波があるときは、金遣いが荒くならない

来月は収入がなさそうなのに、今月100万の売上があったからといって、バンバンお金を使ってしまう人はまずいません。なかには、著しく計画的な金勘定が苦手だったり、「宵越しの金は持たない」という極端なポリシーを持っていて、稼いだお金をすぐ使ってしまう人もいるかもしれませんが、そういった人は例外中の例外です。

毎月の収入に波があるときは、誰しも少しは不安です。不安を感じていれば、ある月にたくさんの売上が立ったからといって、それを全て使ってしまうような愚行は犯しません。

危険なのは、長期的な周期で収入の波が発生すること

私の周りのフリーランスや経営者で、経済的に破綻してしまった人の多くは、長期的なスパンで収入が激減した人です。

どういうことかというと、半年〜2年とかある程度長い期間、毎月のようにガッポガッポと稼いでいたのが、あるときのその収入が途絶えて、その後は無収入もしくは売上がかなり少ない期間が長く続くという場合です。

定期的な仕事をくれる大口顧客がいて、毎月たっぷり稼げるので、「自分は稼げる人間になったんだ」と思い、良いマンションに引っ越して生活水準をかなり上げたり、社員(スタッフ)を雇ったりします。

しかし、その大口顧客を失うようなことがあった場合、高く上げた生活水準や人件費が重くのしかかります。毎月大きな金額が出ていくので、多少貯蓄をしていたとしてもあっという間にすっからかんです。固定費の負担が重すぎて、また新たなクライアントを獲得するまでの持久戦を許してくれないのです。

こうした経緯を経て、フリーランスを廃業した人、廃業するだけでなく外注費を踏み倒して業界にいられなくなった人を私は見てきました。

固定費をあげるのは慎重に

このブログでも何度も言っていますが、フリーランスは固定費にはかなりシビアになるべきです。誰でも、半年や一年間稼ぎまくったら、ついつい舞い上がってしまうものです。

頑張って稼いだのだから、多少舞い上がってもいいと思います。ただ、良いマンションなどに引っ越す場合には、あまり家賃を上げすぎないようにすべきです。人を雇う場合には、「その人の給料を払い、自分の利益を確保し続けていくことができるのか」をよくよく考えるべきです。

「ずっと欲しかった高いものを買う」とか「海外旅行に行って贅沢する」というお金の使い方ならある程度は大丈夫です。「貯金しとけばよかった」と多少後悔することはあるかもしれませんが、これらは一時的な大きな出費なので、収入が激減してしまった後に及ぼす影響は、固定費の上昇に比べて大したことはありません。

おすすめなのはやっぱり投資

最もおすすめは、新たなスキル獲得や収入につながるような投資をすることです。分かりやすい例で言えば、フリーランスのデザイナーをしているなら、100万以上かけてプロカメラマンが使うようなカメラやレンズなどの撮影機材を揃えるとかです。最高の機材で趣味として写真を楽しめますし、撮影を学んでおくことはデザインやアートディレクションにも活かせます。デザインの仕事が激減して収入が苦しくなったときに、撮影の仕事を請け負って生活費の足しにできるかもしれません。


「大きな固定費」はフリーランスの天敵です。お金がたっぷりあるときは、固定費をあげるのではなく、一時的な大きな投資にお金を回すということを意識しましょう。