フリーランスって実際どうなの?

フリーランスとして独立すること、働くこと、生きることについて。

フリーランス(個人事業主)として独立!そのときに必要な手続きと用意するもの

フリーランスになると、会社員時代には必要なかった手続きなどがたくさん発生します。自分の本業だけに集中すればよい会社員と比べ、そこはフリーランスのデメリットと言えます。

本業に関係ない手続き等はササッとと終わらせ、付加価値の高い仕事にこそ時間を割くべきです。独立するときに必要な手続きも速やかにすませ、もっと大切なことに時間を使いましょう。

■ 独立時に必要な手続き一覧

独立して必要になる手続きは4つです。

《その1》「個人事業の開業・廃業届出書」の提出

税務署に提出します。税理士を雇わないかぎり、フリーランスは税務署通いをすることになりますが、都内では多くの区の税務署がアクセスに不便な場所にあるのが難点。

「個人事業の開業・廃業届出書」はこのような書類です。
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こちらからダウンロードし、プリントアウト&記入してから持っていくこともできます。

「屋号」は記入しなくても大丈夫です。お店などで開業するのでなければ、屋号を使用することは少ないかと思います。ほとんどのフリーランスは自分の名前で活動しています(たまにペンネーム/ビジネスネームの人もいますが)。

「給与等の支払いの状況」の欄に「専従者」とありますが、仕事を鉄だてもらって給料を支払う配偶者などの親族のことです。フリーランスの場合はたいてい「0人」になるかと思いますが、主婦(主夫)の配偶者や定年退職した親に経理や雑務を手伝ってもらう場合にはその人数を記入します。

《その2》「所得税青色申告承認申請書」の提出

確定申告で青色申告する場合に、税務署で提出する書類です。確定申告を青色にするか白色にするか迷うかもしれませんが、青色が絶対おすすめです。所得が65万円控除されます。

白色の単式簿記よりも、青色の複式簿記での帳簿付けのほうが難しいのは確かですが、今では簡単にできる会計ソフトがたくさんあります。最初は使い方を覚えるのが面倒かもしれませんが、慣れればなんてことはありませんし、経理作業にかかる時間も白色に比べてほとんど変わりません。税金を少しでも抑えるために、青色申告を選びましょう。

所得税青色申告承認申請書」は、このような書類。
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こちらからダウンロードもできます。「個人事業の開業・廃業届出書」と一緒に、「所得税青色申告承認申請書」も提出しておきましょう。

《その3》国民年金/国民保険の加入

正社員だった人は厚生年金、社会保険に会社で加入していますが、独立したら自分で国民年金と国民保険に加入しなければなりません。どちらも役所で手続きできます。

国民保険料は16,260円/月、国民保険は前年度の所得で決まります。口座振替やクレジットカード引き落としの手続きもできますが、独立時にこの手続をするのはやめましょう。

こんなことを言っていいのか分かりませんが、独立したばかりで安定した収入の目処が立っていないなら、当分は国民年金と国民保険は滞納すべきです。無理して律儀に支払って、仕事に投資するお金や生活費が足りなくなってしまわないように気を付けてください。

国民年金や国民保険に支払ったお金は、確定申告の際に全額所得から控除されます。なので、収入が低い年に無理して払うよりも、儲かった年にまとめて払ったほうが税金対策にもなります。独立したばかりの頃は無理して払わず、所得が増えたときにまとめて払って節税するのが得策です。

ただ、長期間滞納していると頻繁に催促状が届くようになりますし、最終的には財産差し押さえという結果になりかねません。私の場合は、独立してから1年ほど滞納し、仕事が軌道にのり、ある程度お金が貯まったころに区役所に行って滞納分をまとめて払いました。

《その4》事業専用の銀行口座を開設

私生活に使う銀行口座と仕事(事業)で使う口座は別々にしなければなりません。一緒にすることもできなくはないのですが、確定申告の際にすごく面倒くさくなります。仕事用の口座から定期的に大きな金額を私生活用の口座に振り込み、私生活用の口座から日々の生活費の出金を行なうようにしましょう。

私は東京三菱UFJ銀行で事業用口座をつくりました。しかし、今になって思えばネット銀行にしておけばよかったと思います。振り込み手数料が安いので、外注先への支払いが多いほどネット銀行のほうが得です。東京三菱UFJにしたのは、「メガバンクのほうが取引先の心証もいいかな」となんとなく思ったためですが、実際は全く関係ありませんでした。私は法人化するときに法人口座は楽天銀行にしました。

フリーランスの人は融資を受けることもないと思います。都市銀や地銀、信用金庫よりも、ネット銀行のほうが手数料は安いし使い勝手もいいのでおすすめです。

独立時に用意するもの

独立時に最低限用意しておいたほうがいいものは、以下の3つです。

《その1》名刺

当たり前ですが、名刺は必要です。コストを抑えようと自宅のプリンタで印刷した名刺を使っている人が稀にいますが、絶対にやめたほうがいいと思います。

今はネット印刷でそれなりのクオリティのものが安くつくれます。驚くくらい安くつくれますので、自宅のプリンターで印刷するくらいなら、それらの格安サービスを利用しましょう。

ただ、できることならフリーランスの名刺はデザインや紙質にこだわったほうがいいと思います。「『フリーランスは稼げるか?』の答えと、フリーランスで稼ぐための3つの方法」フリーランスはファッションも大切と書きましたが、ファッションと同様に、こだわった名刺を持っていることで初対面の人からの好印象を持ってもらえる可能性が高まります。

自分で名刺をデザインするのが難しいのなら、知人の信頼できるデザイナーに頼むのが一番です。それが難しいようなら、ネットで名刺デザインを得意としているデザイン会社(またはデザイナー)を探すのがいいでしょう。クラウドワークスで安くデザインしてくれる人を探すという手もありますが、デザイン費をケチってクオリティの低いものができてしまったら、それは無駄金になってしまいます。名刺デザインはお金をかけてでも、良いものをつくるべきです。

《その2》ホームページ

簡単なものでもいいのでホームページはつくっておくべきです。例えば、飲み屋で同じ業界の人と知り合い、「今度、機会があったら仕事お願いしますよ」と言ってもらえたとします。しかし、名刺を渡したくらいでは、あなたにどんな実績があるのか、どんな仕事ができるのか全く分かりません。ホームページに過去の仕事を掲載しておけば、知り合いになった方はそれを見ることで、安心してあなたに仕事を発注できます。

《その3》オフィス環境

自宅を仕事場にするにしても、快適に仕事できる環境を整えましょう。カフェなどを転々として仕事をするのもよいですが、深夜に仕事したり、外出したくない気分の日もあります。リビングや寝室の一角などの小さなスペースでもいいので、自宅にもオフィス環境を整えましょう。

フリーランスの場合、絶対に必要なものと言えば机とパソコンくらいです。私も独立した当初はプリンターさえも持っておらず、企画書や資料をプリントアウトするときは、近所のセブン-イレブンのコピー機を利用していました。セブン-イレブンファミリーマートは、USBにデータを入れてもっていけば、モノクロなら10円、カラーは50円(A3は80円)で出力できます。

ちなみに、自宅以外に仕事できる場所としては以下のような場所があります。

・カフェ

オフィスを借りた場合の賃料を考えれば、毎日カフェ代に1,000円使ったとしても安いものです。スタバでパソコンを広げて仕事をしている人をバカにする風潮も最近はあるようですが、カフェを転々としながら仕事をする方法は、気分転換にもなり結構おすすめです。コスパで言ったら、ベローチェが最強です。ドトールは席と席の間が狭く、落ち着いて仕事するのは難しいです。ちょっと高いですが、ルノアールは落ち着けるしコンセントも使わせてもらえます。私は一時期、ベローチェルノアールベローチェと、ベローチェをベースにしつつ、パソコンのバッテリーがなくなるとルノアールへ移動して充電するというスタイルで仕事をしていた時期があります。

・図書館

仕事をする人のためのビジネス席を設けている図書館もあります。私は独立当初、東池袋にある豊島区の中央図書館を利用していました。インターネットも使えますし、静かな環境で快適に仕事ができます。ただ、席で電話することはできませんので、電話がかかってくるたびにわざわざ廊下に出て会話することになります。

・百貨店の屋上や公園

春や秋の屋外で過ごしやすい気候のときにおすすめの仕事場です。ビールを飲みながら仕事するのも最高に気持ちいいです。こうした気持ちのいい場所で仕事できるのもフリーランスの特権です。ぜひ自分のお気に入りの場所を見つけましょう。


以上です。独立後に速やかに仕事に集中できるよう、手続や準備は効率よくすませてしまいましょう。