フリーランスって実際どうなの?

フリーランスとして独立すること、働くこと、生きることについて。

独立資金は数千円? フリーランスになるのにお金はいらない。

ほとんどのビジネスは、独立する際に大きなお金が必要となります。例えば、個人で小さな飲食店を開業するにしても、少なくても数百万かかりますし、1000万以上かけて開業する人もいます。

それに比べ、フリーランスとして独立するのにかかるお金はかなり少額です。準備期間も必要ありません。会社を辞め、「今日からフリーランスでやります」と宣言するだけです。

私の場合はキンコーズで印刷した名刺代だけ

急に会社を辞めることになって私は突発的にフリーランスになったので、なにも準備はしていませんでした。

フリーになって最初に打ち合わせに呼ばれたときは、すでに辞めた会社の名刺を使いました。会社名や住所、電話番号にボールペンで横線を引き、自分の携帯電話の番号を書き足しました。「すみません、まだ名刺がなくて」と言って渡したら相手は笑っていました(笑)。

その後、急いでキンコーズで名刺を印刷しましたが、独立にかかった費用といえばそれくらいです。パソコンは自宅で使っていたMacBookを使いましたし、仕事も自宅やカフェ、知り合いの会社の席を借りてやっていたので、大きな出費はありませんでした。

独立資金が必要なかったのは、私の仕事がコピーライティングやプランニング、ディレクションなどで、パソコンさえあればできる仕事ということも理由としてあげられます。しかし、機材を揃えるのに100万〜200万かかると言われるカメラマンなどでも、お金がまったくない状態で独立することも可能です。

機材を借りて撮影に現れたフリーランスのカメラマン

以前、独立したばかりの女性のカメラマンと何度か仕事をしたことがありますが、そのカメラマンは自前ではコンパクトカメラしか持っておらず、広告の仕事で使用するようなプロ用の機材を持っていませんでした。

撮影にはいつも、彼氏や知り合いからカメラや三脚を借りて現れました。そんなんで大丈夫なの?と思うかもしれませんが、いつも素敵な写真を撮っていました。「借りてきた機材です」とクライアントに申告するわけでもないので、クライアントを不安にさせることもありません。

その女性の場合、独立前はスタジオに勤めていたのですが、スタジオは給料が激安なことは有名です。生活を切り詰めれば機材代を貯めることもできたのかもしれませんが、そうなると、遊びに行ったり撮影旅行に行ったりと、若いうちに経験しておくべきことを我慢しなくてはなりません。そうした生活を送ってしまうことは、センスや社交性が求められるカメラマンとして生きていく上でマイナスになるでしょう。

フリーランスでやっていくために必要な機材なんて、どうとでもなるのです。知人から借りてもいいですし、中古で安い機材を揃えてもいいのです。立派な機材や仕事道具は、仕事が軌道に乗ってきてから揃えれば十分です。

「一年分の生活費が必要」というのは本当か?

独立するのは、「半年分、もしくは一年分の生活費を貯めてから」という話をよく聞きますが、これは必須の条件ではないと思います。

私もそのひとりですが、まったく貯金がないのに独立する人は結構います。独立後すぐに仕事を受注できても、納品してギャラが入金されるまでには3ヶ月〜半年はかかりますし、独立後すぐに仕事が殺到することもまずないので、確かに独立してしばらくは収入がほとんどないでしょう。

では、貯金がないのに独立した人はどうしているか、というと、知り合いの飲食店で最低限の生活費分だけバイトさせてもらう、友人の家に居候する、彼女や奥さんのヒモとして過ごす、など、方法は人それぞれですがなんとかなるものです。私の知り合いでは、彼女の実家が東京だったので、彼女の実家に居候した人もいます。仕事が軌道に乗った後には、彼女の両親の圧力もあって結婚しましたが(笑)。


機材を揃えるお金や生活費の蓄えが十分でなくても、どうにかしようと思えばどうにかなるのです。むしろ、どうにかしてしまうくらいのサバイバル能力がある方がフリーランスに向いているとも言えます。