独立した当初は国民年金、国民健康保険の滞納も検討すべき。
独立したてで収入が不安定なフリーランスにとって、年金と保険料の負担はかなり大きなものです。特に国民健康保険料の金額は会社員時代の収入をもとに算出されますので、思っていたよりも大きな額を請求されます。
私も独立したとき、年金と保険料の請求額を見て「こんなに払えないよ・・・」と思いました。成り行きでフリーランスになったので、ほとんど貯蓄がありませんでした。
とりあえず滞納することにした
年金と保険料を払っている余裕のなかった私は、振込書の束を机の奥にしまって見なかったことにしました。当然、未払いが続いていると催促状が届きます。それでも無視続け、結局は1年以上滞納しました。
結果的には滞納して正解でした。無理して払っていたら生活が立ち行かなかったと思います。年金や保険料は払うために無理して食費を削ったり借金をしたりするよりは、滞納してしまったほうがいいです。
滞納分をまとめて払うと節税になる
私は1年以上滞納し、大きな仕事のギャラがまとまって入ってきたときに一括で滞納分を支払いました。
そして、確定申告の際にわかったのですが、これが節税につながったのです。
どういうことかと言うと、年金や保険料で支払った分は全額が確定申告の控除対象になります。滞納していた分をまとめて払うと控除額が大きくなるので、仕事が軌道にのって収入が多い年に払ったほうが、収入がほとんどない独立直後に払うよりもよいのです。
滞納することへ必要以上に罪悪感を抱くべきではない
長く会社員をしていた人や生真面目な人は、頑張って年金や保険料を滞納しないようにしようとします。しかし、収入が乏しい時期などは無理して払う必要はないのです。
年金や保険料は支払うことが国民の義務だとも思っていますので、現在は私もきちんと払っています。ただ、それは私の収入が安定しているからであって、また仕事がまったくないような時期を迎えたら、年金や保険料は早めに滞納すると思います。
優先順位をちゃんと考えなくてはいけません。所得税や住民税はちゃんと支払わないとヤバいみたいですが、年金や保険料は1〜2年なら大丈夫です。生活費が足りなくなりそうだったら、その前に滞納してしまいましょう。間違っても、お金を借りてまで年金などを払ったりはしないようにしましょう。
銀行引き落としにはしない
国民年金を支払うようになると、「年金を口座引き落としで支払いませんか? そのほうが便利ですよ」みたいなお知らせが届くと思いますが、引き落としにしてはいけません。いざというときに滞納できなくなってしまいます。
貯蓄も十分にしているし、独立後の仕事の目処が立っているという人でも、引き落としの口座登録は避けるべきです。独立してやっていくとなると、大きな投資が必要になって出費を可能な限り引き締めたいときもあります。また、思っていた以上に安定的に売上をあげていくのは難しいものです。
大切なのは生活費を守ること
フリーランスの独立直後は、自分の生活費をきちんと確保することが大切です。無理していろいろな支払いをして、満足に食事ができなくなったり、1ヶ月後の生活費の心配で夜も眠れなくなったりしてはいけません。
生活費が危ういのであれば、支払いを遅らせられるものは遅らせるべきです。水道や電気、ガス、携帯代なども、何ヶ月なら滞納しても大丈夫なのか、私も独立したときに一度調べました(今は忘れてしまいましたが)。私のフリーランスの知り合いには、さまざまな料金を「何ヶ月、何年まで滞納して大丈夫か」ということに異様に詳しい人もいます。
フリーランスになるなら、いざというときには「滞納する」という選択肢があることも忘れないでください。