フリーランスって実際どうなの?

フリーランスとして独立すること、働くこと、生きることについて。

フリーランスは収入が二極化する。

会社というのは、みんなにできるだけ平等に仕事が振られる仕組みになっており、収入もある程度の範囲で均一化しているものです。自分に仕事があって当たり前。同期と同じくらいの収入で当たり前。それが、フリーランスになると一変します。

年収1000万も全然夢じゃない

1000万円はいけます。

会社では社員みんなで仕事で分担するのが普通です。他の社員の5倍も仕事を手がける社員はいない(超少ない)一方で、仕事がまったく振られないという人もまずいないものです。

しかし、フリーランスの世界は全然違います。例えばフリーランスが10人いて、仕事が20案件あったとしても、みんなに平等に2案件ずつ割り振られるわけではありません。ほとんどの仕事が、まずは優秀な人に依頼されます。(優秀でない人にいきなり声がかかる仕事もありますが、それは予算が超しょぼい仕事とかです)

優秀な人には仕事の依頼がバンバン来るのに、まあまあの人はポツポツとしか声がかからず、全く人気のない人は忘れさられているのがフリーランスの世界です。

だから、収入も、ものすごい格差社会です。同じフリーランスでも、1000万を軽く超える人がいるのに対して、バイトをかけもちしてなんとか生活している人もいます。

フリーランスは食えない」と言う人がよくいますが、それは優秀で人気のある人の割合がほんの一部だからです。10人いたら1〜2人です。その少数の人が、フリーランスに流れる仕事(お金)のほとんどを持っていってしまうのです。だから、「食えない」と嘆く人がたくさんいます。

つまり、その一部の優秀なフリーランスにならなければ、待っているのはシンドイ生活です。独身でやっと生活できるという人が多いのも事実です。

売れていない人とは仲良くならない

あなたの知り合いのフリーランスで「生活するのがやっとだよ。周りのフリーランスもみんなそうだよ」と言っている人はいませんか? 売れていないフリーランスは売れていない人とつるむ傾向があるので、すべてのフリーランスが低収入であるかのようなことを言います。

気をつけてほしいのは、独立したときにそういう売れていないフリーランスとつるまないようにすることです。売れていない人は自分の実力を棚にあげ、仕事が上手くいかないのをクライアントや他の人のせいにします。そういう思考回路がダメなのですが、いつも一緒にいると影響を受け、自分も同じような考え方をするようになってしまいます。

しっかり稼ぎたいのなら、売れてないフリーランスと一緒になって安い飲み屋でダラダラと飲むような生活は送らないことです。そういう人とつるむくらいなら、ひとりぼっちで孤独なほうがマシです。フリーランスは横のつながりも大切ですが、付き合う人は厳選しましょう。

売れないフリーランスは負のスパイラルに

常に仕事をしていないと腕(スキル)は錆びつきます。凡ミスが多くなったり、感性が鈍ったりします。

だから、売れていない人はますます売れなくなっていくのです。スポーツ選手が一ヶ月休んだら試合でまったくパフォーマンスを発揮できないように、仕事がない人はどんどん使い物にならなくなっていきます。

いい仕事をするには休息も大切と言います。確かにその通りだと思いますが、休んでばっかりの人よりは、休みなしで働き続けている人のほうが断然良い仕事をします。

私は毎日長時間パソコンで作業していますが、年末年始などに3日休んだりすると、キーボードのタイプミスが増えます。休むとやはり鈍るのです。

そして、売れていないとお金もありません。売れていないデザイナーで、びっくりするくらい昔のMacを使っている人がいましたが、そういう人にはどうしても不安感を覚えますし、仕事を依頼したくなくなるものです。

パソコンだけでなく、お金がないということはさまざまなところで滲み出ます。来ている服や鞄がヨレていたり、ギャラ交渉で小さな金額にこだわったり、一緒にお酒を飲んでも支払いになるとケチくさかったりと、人から嫌悪感を抱かれることが多くなってしまうのです。まさに、「貧すれば鈍す」です。

仕事勘を鈍らせず、お金を使うべきとこには使う

もし、独立しても順調に仕事を獲得できなかったら? そのときは腕がなまらないように、仕事の依頼がなくても仕事(らしきこと)をしているべきです。例えば、デザイナーなら、仕事がなくてもデザインはできます。自分の好きな商品の広告を勝手にデザインしてみてもいいですし、今まで使ったことのない技術を使った表現を試してみてもいいでしょう。

いろんな企画を考えてみるのもいいですし、とにかく頭と腕を動かし続けていることが大切です。そうすれば、いざ仕事が来たときに100%のコンディションで挑めます。

また、仕事がないのなら時間には余裕があるはずですので、自炊するなどの節約をしてでも、最新のパソコンを買ったり、きちんとした服装をしたり、会食にはお金をケチらないようにするべきです。

私自身も独立したてでお金が乏しかった時期は、クライアントと深夜まで歌舞伎町で飲んでから、2時間かけて歩いて帰宅したりしていました。


フリーランスの世界は本当に格差社会だと思います。日本は格差社会になったと言いますが、正社員と非正規社員の差以上に、フリーランスの格差は大きいと思います。どうせフリーランスになるなら、稼げるフリーランスになりましょう。