フリーランスって実際どうなの?

フリーランスとして独立すること、働くこと、生きることについて。

フリーランスは、こんな金銭感覚を持つと生き残りやすい。

独立した当初は、誰しも出費を抑え、堅実な金銭感覚で生活するものです。私も独立してからしばらくは、深夜のタクシー代を節約するため、新宿から大塚の自宅まで歩いたり、図書館のビジネス席や百貨店の屋上で仕事するなど、かなりの節約生活を送っていた記憶があります。

危険なのは、大きく売上があがったときです。フリーランスで仕事をしていれば、売上がどかんと大きくなる時期があります。ひと月の売上が100万を超えると、サラリーマン時代の感覚でいえば、ちょっとした宝くじにでも当たったような感覚になってしまいます。

そんなときに、無駄使いするのは危険です。いずれ売上が低迷する時期がくるかもしれません。そのときへの備えも必要ですし、独立した以上、余剰資金は「無駄使い」ではなく「投資」に回すべきです。

「投資」といっても、株やFXに資金を投じるわけではありません。フリーになると、株やFXに夢中になり、デイトレーダーの真似事のようなことをし始める人もいますが、株やFXは仕事への集中力がそがれない程度にとどめておくべきです。

フリーランスは自分に投資するべき

私が言う「投資」とは、仕事の質を向上させたり、仕事の幅を広げるためにお金を使うことです。

例えば、私は本や雑誌、Webメディアに年間50万円くらい使っています。さまざまな情報に触れ、思考の幅を広げ、時代感覚をしっかり把握しておくために、必要な経費だと思っています。

また、PCは3台持っています。MacBook(12インチ)とiMac(21.5インチ)をメインで使用していますが、外でIllustratorPhotoshopを使うときのために、13インチのMacbook Airも持っています。

以前の記事で、フリーランスは服装にかなり気を使うべきと書きましたが、ジャケットや革靴などにも積極的にお金を使っています。

また、飲食店も経営しているので、外食費もケチらないようにしています。いろんなお店で食事することは、日々の生活に潤いを与え、毎日いきいきと働くエネルギーを生んでくれるとも思っています。

削るべきは固定費

お金に余裕があるのなら自分への投資はどんどんすべきですが、一方で固定費にはかなりシビアになるべきです。売上のいい時期に、家賃の高い家に引っ越すなどして月々の固定費をあげてしまうと、売上が落ちたときにきつくなります。家賃等を払うために無理に売上)をあげようとしたり、変にケチになったりして信用を失ってしまいかねません。

大きな固定費となるのが、家、車、通信(携帯/インターネット)だと思います。私はこの3つにかかる費用を極力抑えています。

家賃は収入の3分の1または4分の1に抑えるべきとよく言いますが、私の住んでいるマンションの家賃は、我々夫婦の世帯年収の10分の1くらいで、私個人の収入の7分の1くらいです。

また、都心に住んでいることもあり、車は持っていません。車で出かけるのは好きなのですが、カーシェアを使っています。マンションのすぐ近くにカーシェアできる車が何台もあるので、それを利用しています。車の維持費や駐車場代を考えれば、カーシェアのほうが費用を格段に抑えられますし、車を自分でメンテナンスする必要もないので楽です。

通信費に関しては、面倒くさがらずにできるだけ料金を削るようにすべきです。まったく料金プランを見直さない人も多いのですが、ケータイ会社はちょくちょく料金プランを変更したりしているので、半年に一度でもいいので定期的に見直すことをおすすめします。

私の場合は仕事でかなり通話をするので、auの話し放題プランにしています。また、iPhoneテザリングをすることで、ケータイとは別にルーターを持たなくてすむようにしています。一方で、私が料金を払っている奥さんのケータイに関しては、通話時間も少ないですし、テザリグも必要ないのでSimフリーの格安ケータイを使っています。

また、自宅とお店のインターネット回線は、私や奥さんのケータイとセットにすることで割安になるプランを利用しています。プロバイダーを変更したりするのに手間がかかりましたが、一度変更すればずっと割引になるので面倒でもやっておくべきです。

カフェやタクシーにはどんどんお金を使う

私はカフェなどで仕事をすることも多く、しかもできるだけ落ち着いて仕事ができるように、椿屋やルノアール、ホテルのラウンジなど、価格が高いところを積極的に利用するようにもしています。そのお金が惜しいとも思いません。

事務所を借りようかと思ったこともあります。しかし、都心で借りようと思うと、どんなに小さくても、ボロボロの物件じゃないかぎり少なくとも6万円くらいはします。

月額6万円を日割りすると、1日2000円くらい。1日2000円あれば、カフェなんて利用し放題といえます。気分転換しながら仕事ができ、しかもドリンクまでついてきます。

最近では、フリーアドレスのコワーキングスペースが月額1万5000円くらいで利用できたりもしますが、私はカフェで仕事するほうがいいと思います。打ち合わせとかの合間にいちいち契約しているコワーキングスペースに移動するのも面倒ですし、カフェで仕事していると、周りの人達の雑談から面白い情報を耳にしたりすることもあります。

また、車に関しても、都心に住んでいると維持費だけでも年間100万くらいはかかります。月々8万円以上です。タクシーやカーシェアをガンガン使っても、月に8万もかからないものです。仕事中の移動は、電車のほうが速くて時間も読みやすいので、私の場合はタクシーをあまり使わないですし。ただ、仕事が忙しくて疲れているときは、やはりタクシーに乗ったほうが体力を温存できます。疲れているときは、無理して電車に乗って余計な体力や気力を使うより、タクシーを積極的に活用すべきです。

もちろん、お気に入りの車を所有する喜びがあるのは理解できます。ただ、ドイツ車などの持つ喜びを得られる車、はいかんせん価格が高すぎる気もします。車の購入費や維持費をファッション費に回したほうが、毎日良い気分でいられると思います。少なくとも、私はそうです。

車を持つことで得られるステータスも、かなり下がっている気がします。昔だったら一人前のフリーランスは車くらい持っていて当たり前という風潮があったのかもしれませんが、今では「稼いでいても車を持たない」というスタイルも普通です。見栄やステータスのために所有するには、車はコストパフォーマンスが見合いません。

というように、固定費が上がるものを所有しようとするときは、よくそのコストとメリットを考えた上で決断するべきです。固定費さえ抑えておけば、売上が落ち込んだ時期もケチケチせずにやり過ごせます。その精神的余裕は、フリーとして生きていく上でかなり大きなものです。フリーランスとして長く生き残っていくには、売り上げが悪いときにも廃業しなくても良い環境を整えておくことが大切です。